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四角窓より、デルタの空白を望む

リフレクティング・ヒロシマ2025年プログラム EXHIBITION「山と海のあいだ」 山本志帆

2025.11/13–23
Unité

Unitéでは大学大学院芸術学研究科絵画専攻を修了された山本志帆さんの個展が開かれます。こちらはリフレクティング・ヒロシマ2025年プログラム EXHIBITION「山と海のあいだ」のプログラムの一つとして開催されます。

会期:2025/11/13(木)-23(日)※月火水は休場
時間:12:00−17:00(最終日は14:00まで)
会場:Unité (広島市中区基町16番17-108号)

山本志帆は、家の庭や裏山で日々行われている動植物の営みや人間への干渉、見えざる恩恵を敏感に感知しながら、制作を続ける日本画家です。彼女は昨年のプロジェクト参加を通して、太田川上流で行われていたかんな流しや、下流へ供給される土と養分をたたえた水が広島の発展に寄与した歴史など、古代から現代まで続く自然と人間社会の縺れて絡まる関係性について考察を深めました。山本は、川は必要な物資を船で運ぶ道としての機能だけではなく、豊かな生態系と人々の生業の場としての干潟を形作るパイプのような役割を担ってきた、と考えます。本展では、その消えてしまった干潟とそこで行われていた海苔作りから着想を得て制作した絵画数点と、集めた海苔を漉いて加工する工程と重ねて制作した手漉き和紙を主に展示します。

山影黒く

『 山影黒く  』  麻紙・雁皮紙・岩絵具・土・砂鉄・膠 | F10(455×530㎜) | 2025

作家プロフィール
山本志帆
日本画家。1982年岐阜県生まれ。動植物と人間の関係性や種の絡まり合いに関心を寄せつつ平面作品を制作。近年は山と川の繋がりや営みに着目した絵画を制作することに加え、自宅周辺で採取したものや制作で出た屑、これまでの過去作品などを分解し、自宅の庭で再構築を試みている。主な展覧会に、個展「山をくずして」(galleryG/広島、Yoshimi Arts/大阪)、 個展「川の道」(K gallery)などがある。


リフレクティング・ヒロシマについて
異なる分野で活動するアーティスト、ダンサー、アートマネージャー、研究者が対話や実践を通して、相互に関わり合いながら、広島に根差した同時代的な表現の可能性を探究しています。

昨年度、リフレクティング・ヒロシマは複数のアーティスト、研究者と共に、周辺の自然環境や身近な生命の循環から、広島を “ 山と海のあいだに位置する都市 ”として再考することをテーマに、フィールドワーク、ワークショップ、レクチャー、トークなどの連続プログラムを行いました。今年度は、昨年度より引き続きアーティストの前田耕平、山本志帆、吉田真也が参加し、それぞれのアーティストが同時期に、広島市に点在するギャラリーで展覧会を開催する形でプログラムを実施します。

人々が営みを始める遥か前から、悠久の時間を経て隆起し形成された中国山地。その西部に位置する冠山を源流にもつ太田川は、幾多にも分岐しながら山谷、都市の間を流れやがて瀬戸内海へと注ぎ込まれます。古代のたたら製鉄、江戸期の干拓、木材や物資の運搬、人々の生活や文明の発達は、常に山々から流れゆく川や、周辺の生態系と共にありました。3人のアーティストは、それぞれの手付きで、人と自然の関係性について問い直すことを試みます。

兵庫県在住のアーティスト前田耕平は、広島を定期的に訪問し、フィールドワークを重ねてきました。その過程で前田は、今もその景観を残し、かつては舟運による物資の揚降や舟着場として使用されていた「雁木」に着目し、太田川を舟で周回しながら参加者と共にパフォーマンスを行う「雁の便り」プロジェクトを展開します。

身近な動植物の循環や、山や川の自然環境を観察しながら、広島で制作を続ける日本画家の山本志帆は、太田川の河口で行われていた海苔作りの工程において、干潟に立てられた竹ひびに育った海苔を集め、漉いて乾燥させ板海苔に仕上げることから着想を得て、孟宗竹や手漉き和紙、広島市公文書所蔵の古い絵葉書を取り入れた絵画作品を発表します。

主に映像作品を制作するアーティスト吉田真也は、複数のパフォーマーや詩人と共同し、広島の川に幻影が浮かび上がる映像作品を発表します。水面に浮かびあがる4つの幻影は、自己の内奥を見つめ直すことを促すとともに、自己と外界との関係性を示唆し、影の視点から現実の風景を照射します。

アーティストたちによる実践は、私たちを取り巻く自然環境が単なる外に広がる風景ではなく、土着の生活や文化に深く浸透し、私たち自身を形成する重要な要素であることを教えてくれます。遠い源流から、たゆみなく都市に流れ込む川の時間や記憶、私たちの身近で日々行われている生態系の循環に想像を馳せることで、歴史が作り上げた象徴としての広島を解きほぐし、異なる複数の視座によって “ あいだの都市としての広島 ”を再発見する契機になれば幸いです。

参加アーティスト 前田耕平、山本志帆、吉田真也

実施期間  2025年11月10日 - 11月24日

前田耕平「雁の便り」アーカイブ展 
・会場 タメンタイギャラリー
・会期 11/10 - 11/20(休廊なし) 
・時間 11時 - 19時

山本志帆「四角窓より、デルタの空白を望む」
・会場 Unite
・会期 11/13 - 11/23 (17- 19休廊・最終日 12:00~14:00まで)
・時間 12時 - 17時

吉田真也「デルタは夜明けを夢想する」
・会場 AIR Hiroshima Gallery
・会期 11/15 - 11/24(休廊なし)
・時間 11時 - 19時

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